企業成長に欠かせない『カルチャー』とは?埼玉県立浦和高校に学ぶ、強い組織づくり

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近年、経営理念やカルチャーを最大限に生かすことで、会社の業績を著しく向上させている企業が増えてきています。

自社のカルチャーを大切にしている企業といえば、Googleやリクルート、サイバーエージェントなどそうそうたる企業を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。このことからも、継続的に成果を上げ続けている企業ほど社内に理念やカルチャーが浸透していることが見て取れます。

さて、私の所属する株式会社キュービックも、カルチャーや理念を非常に大切にしている企業のひとつです。

しかし、僕自身はそこまでカルチャーや理念の重要性は理解できておらず、大きな必要性も感じることができていませんでした。それはおそらく、カルチャーの機能している状態を僕が知らないからだろうと思います。

そんな矢先「俺、今度母校訪問するから、よかったら菊地もついてこいよ。カルチャーや理念とは何かを理解する上で、きっといいヒントになるはず」と、代表の世一に声をかけてもらい……。

そこで!

今回はキュービックと同じように、理念やカルチャーを大切にしている埼玉県立浦和高等学校(以下、浦高)の杉山剛士(すぎやま・たけし)校長先生にお話を伺っていきます。浦高は、株式会社キュービックの代表である世一の母校でもあり、キュービックが大切にするカルチャーのルーツがあるのだそうです。

浦高のカルチャーとは

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「本日はよろしくお願いいたします。キュービックで広報を担当している菊地です」

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「よろしくお願いします。菊地さんは、うちの卒業生ではなく、世一さんが卒業生なんですよね」

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「はい、そうです。NIKKEI STYLEさんの浦高の記事を読んで、本当に懐かしくなりました。カルチャーも全然変わっていなくて、安心もしましたし単純に嬉しかったです」

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「あの記事ですか(笑)ありがとうございます。世一さんが在学していたのは、20年以上前になりますね。確かに変わらないところも多くありますが、変わったところもあると思いますよ」

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「私もインターネットに上がっている浦高の記事は一通り拝読しました!『浦高は14時間制』とか『雨天決行の50キロ古河マラソン』と書いてありましたが、それは本当ですか?」

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「嘘というわけではないけど、言い過ぎているものもありますね(笑)確かに、朝7時には来て、帰りは21時過ぎという勉強生活を送っている生徒も多くいます。あと雨天決行は本当です。浦高では、『知徳体』を大切にしているので、何事にも全力で仲間と取り組む姿勢をとっているんです」

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「だから、学校行事にも全力なんですよね。文化祭の準備も泊まり込みでやったり、全校あげてのラグビー大会があったり。ラグビー大会の時期になると、センター試験を控えた3年生も元旦の朝から集まって全力で練習してたな」

 

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「それ受験大丈夫ですか……」

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「と、思うでしょう?ところが東大への進学者数も着実に増えているし、最近ではケンブリッジ大学やオックスフォード大学に進学する生徒もいるんですよ」

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「それはすごい!なんともグローバルですね」

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「しかも、進路指導で無理やり東大を受けさせたりしないでの実績だからね。それでいて運動部の成績もいい。ラクビー部は花園に出場したり、水泳部もインターハイで入賞したりしてる」

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「なんと…!まさに文武両道ですね。でも、どうしてそんなことが可能なんですか?」

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「浦高では文武両道ではなく『尚文昌武』といっています。やはり、浦高のカルチャーが生んだ実績だと思いますよ。浦高は尚文昌武』と『無理難題に挑戦しろ』、『少なくとも三兎を追え』というような言葉を掲げています。尚文昌武というのは、文を尊び武を盛んにすると言う意味。ほかの言葉はそのままの意味です」

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生徒たちに高い負荷をかけ、仲間と一緒にそれを乗り越え、心と体を鍛えるのが浦高のカルチャー。みんなで朝早くに登校して、勉強を教えあったり、スポーツ大会に向けて練習したりして、仲間と難題を乗り越えるんです。だから浦高生の通塾率は、3年生になっても1割弱なんですよ。塾で勉強するより学校の仲間と勉強をすることを自らが『選択』しているんです。これが14時間制と書かれてしまった所以です(笑)」

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通塾率1割というのは、すごいですね!お話を聞いていると、今の時代の流れとは逆行しているようにも思えます。都心では、通塾率が8割を超えている学校もあるのに」

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「そうですね。確かに今の学校は、『外注型』と呼ばれるカタチをとっているところが多いようです。受験勉強や受験対策を、学習塾など学校の外の機関に頼っている。そういった流れのなかで、浦高は異質です。ただ、現にいろいろと実績も出ているので、最近は取材や講演のご依頼をいただくことも増えてきました」

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「これが、次の講演で使う資料です」

 

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「しっかりとカルチャーが言語化されているんですね。僕が学生のときは、ここまでしっかりと明文化されていなかったなあ」

 

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「そうなんですよ。ちなみに、この資料には浦高の進学実績の移り変わりなどもまとめてあります。世一さんが在学していたのは、ちょうど進学実績が落ち込んでいた時期ですよね」

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「そうですね。僕が入学する直前は、浦高から東大への合格者数が半減していたと思います」

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「そうそう。例年だと30〜40名程度だったのが、15人前後にまで落ち込んだ。それはさすがにまずい、ということで学習指導の体制を見直すことしたんです。それが『新世紀構想』という改革。生徒の自主性を尊重するために、行っていなかった受験指導を積極的に行うようになりました」

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「確かに、入学当初には『これといった受験指導はない』と聞いていたのですが、3年生になる頃には、先生が積極的に指導してくれるようになっていました。でも、三者面談とかは全然なかったなあ」

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「それは今もやっていませんよ。やっぱり生徒の人生なので、自主性は尊重したい。生徒と親御さん、教師のトライアングルというのは、なかなか難しいんですよ。生徒は自分の気持ちを言いづらくなってしまう」

 

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「『三者面談はやらない』という自主性を尊重する点は残しつつ、必要最低限の受験指導はするようになったと。カルチャーというのは普遍的なものではなく、時代に合わせて変わっていくべき・成長していくべきものということですね」

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「そうですね。ただ、その甲斐もあって進学実績は回復しました。去年は、32名が東大に入学しています」

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「東大に32名も!それはすごい……。ほかにも浦高ならではのカルチャー、取り組みって何かありますか?」

浦高とキュービックの共通点

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「そうですね。それでいうとハガキ表彰状という取り組みがあります。普通、表彰状をもらえる生徒って少ないですよね。でも浦高では、できるだけ多くの生徒を褒めてあげたいので、褒める機会を見つけてはハガキ表彰状を送っているんですよ。『勉強がんばったね!』とかね」

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「へえ〜!それは生徒さんも喜ぶでしょう!それにしても、マメなコミュニケーションですね。僕が在学中のときも、浦高の先生は生徒のことを本当に気にかけてくれていた記憶があります。でも、当時は、ハガキ表彰状っていうのはなかった気がする」

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「キュービックにも『やるじゃんレター』という制度がありますね。なんかちょっと似てる!」

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「そうそう。やるじゃんレターといって、社内でメンバー同士が褒め合う仕組みがあるんです。『あの人最近がんばってるな』とか『あの人のおかげで助かった』というときに、カードにメッセージを書いて社内に設置してあるポストに投函すれば、本人に届くようになっています」

 

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「それはいいですね。それをきっかけにコミュニケーションも活発化しますから」

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「まだまだ共通点がありそう……。ほかにもありますか?」

 

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「そうですね。それでいうと、浦高ではグレーゾーンを大切にしています」

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「といいますと?」

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今の世の中は、白黒はっきりさせてしまいがちというか、これは良くてこれはダメって明確に決めますよね。例えば台風が来たとき。休校にする場合は、前日までに生徒たちに指令を出すようにと教育委員会から言われているんです。しかし浦高では、あえて生徒に連絡はしていないんですよ。登校するかどうかは自分で判断して、登校するのであれば、自分で安全を確保して来なさいと」

 

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「そうすると、だいたいの生徒は朝早くから来ちゃってるんだけどね。なかには、家にいてサボってる生徒もいるかもしれないけど、それはそれでいいよって。自分のことなんだから自分で決めて、ちゃんと行動してねってこと」

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「生徒を信頼していなければできないですね」

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「思い返してみると、台風が原因で学校が休みになることはなかった気がします」

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「未だにないよ。何事も決めすぎないことが大切なんです。グレーゾーンがあるから自分の頭で考えるわけじゃない?グレーゾーンが狭まっちゃうと、自分で考えずになんでも答えを求めるようになってしまう。だから、グレーゾーンはできるだけ残しておかなきゃだめなんです」

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「確かに、今の社会は白黒はっきりさせるために、ルールでギチギチに縛るケースが多いような気がします。そういえば、キュービックでも『曖昧耐性』を大切にしていますよね」

 

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「そうですね。曖昧耐性というのは、その名の通り、曖昧な環境や状況に対する耐性のことなのですが、これが低い人材は『ルールを決めてもらわないと困ります』とか『ここからここまで指示をください』となんでも答えを求めてしまうんです。うちはベンチャー企業なので、曖昧耐性が高い人材でないとワークしづらいんですよね」

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「曖昧耐性ですか、いい言葉ですね。浦高の生徒たちは曖昧耐性が高い人材だと思いますよ。なにせ、浦高には校則がないんですから」

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「校則がないというのは、ルールがないということですよね?キュービックもルールを極力作らない社風なのですが、ここも浦高のカルチャーがルーツとなっているのかも……じゃあ、制服もないんですか」

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「そうそう。浦高は制服で登校しなくてもいいんですよ。ただ、全員が学ランで登校しているのが現状ですが」

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「校則を作らないというのも、生徒の良識を信じていないとできないことですね」

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浦高の生徒は、みんな本当に素直で真面目ですよ。そして仲間想い。だから良い挨拶なんて強制しなくても自発的にしてくれるんです」

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「確かに、ここに来るまでにすれ違った生徒さんは、みんな素直で礼儀正しそうでした。目を見て挨拶をしてくれるし。そういえば、初めてキュービックを訪問したときも、みんな目を見て挨拶してくれた気がします。しかも、やらされている感が全くないんですよね。僕は、どちらかというと挨拶が苦手だったので、その姿勢がすごく印象に残っています。うまく言えないのですが、人とちゃんと向き合おうって感じがすごく伝わってきて」

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「そういってもらえると、やっぱり嬉しいですね。しかし、浦高とキュービックのカルチャーは本当に共通点が多いなあ。自分で気づかなかったけど、僕自身が3年間過ごした浦高で身につけたものが、知らず知らずのうちに、会社のカルチャーに反映されていたんですね」

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「世一さんの在学中から浦高にあった言葉が、そのままキュービックでも言葉として受け継がれているならまだわかるのですが……。当時は言語化されていなかったものが、カルチャーとして浦高にもキュービックにも共通して存在していることに驚きました」

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「本来、理念やカルチャーっていうのは、言葉やルールがなくても、自然と伝わっていくものなのかもしれませんね。僕もここまでシンクロしているとは思っていなかったので、本当に元気をいただきました。キュービックも浦高のように「勝てるカルチャー」を作り上げていこうと、改めて思いましたね」

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「そういってもらえるのは、私にとっても本当に嬉しいことです。私たちが大切にしている理念やカルチャーが、こうして卒業生によって脈々と受け継がれていくというのは素晴らしい」

 

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「なんとなくではありますが、カルチャーの大切さを理解できたような気がします。今日は本当にありがとうございました」

まとめ

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「世一さんの言う、カルチャーが勝ち筋を作るという意味が少しだけわかった気がします。それぞれが同じ方向を向いて、より良いものを作り出すためには、理念やカルチャーが必要不可欠なのかも」

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「そうだね。強いチームというのは、カルチャーと勝ち筋が一致しているものなんだよね。キュービックもまだまだこれからの会社。やらなきゃいけないことは、本当に山ほどあるなあ」

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浦高のような強いカルチャーを作りたいですね……。僕も広報として、もっともっとがんばります」

 

 

あなたもこれを機会に、自分の会社のカルチャーや企業理念について考えてみたり、ルーツを調べてみたりしてみてはいかがでしょうか。きっとなにか新しい発見があるはずです。

それでは、失礼します!

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