「スイッチを押す文章」とは?CAREER HACKライターに学ぶ人を動かす文章の作り方

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こんにちは。キュービックの新卒1年目、村山です。

わたしたちキュービックは、「ヒト・オリエンテッドなデジタルマーケティングで、みんなの明日が変わるキッカケを生み出し続ける」をミッションに、インターネットメディア事業を手がけています。

つまり、WEBのチカラを使って「人を動かす」のがお仕事です。「人を動かす」ための重要な要素のひとつがずばり「文章力」。

「よりわかりやすく伝えるにはどうしたらいいのか」
「よりユーザーに響く文章にするためには、どうしたらいいのか」

日々の業務においても、このような会話があちこちで交わされています。私自身この問いとひたすら向き合う毎日です。

さて今回は、文章のプロであるライター・田中嘉人(たなかよしと)さんを講師にお招きし、「人を動かす文章講座」と銘打った社内勉強会を開催。

当日は、文章力に課題を抱えていたり、さらなるスキルアップを目指す社員・インターン総勢40名が参加しました。その模様をお届けします!

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◆講師:田中嘉人(たなかよしと)
1983年生まれ。静岡県出身。静岡文化芸術大学大学院修了後、2008年にエン・ジャパンへ入社。求人広告のコピーライターとしてキャリアをスタートする。その後、Webメディア編集チームへ異動。『CAREER HACK』をはじめとするWebメディアの編集・執筆に関わる。2017年5月1日、ライターとして独立。

文章力が求められるのは、ライターだけではない

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「文章力が求められるのは、ライターという職業だけではありません。文章を書けることで、自身の市場価値も高められる世の中。どんな職業の人も、身につけて損のないスキルだと思います」

優れた文章は、人の心を掴み、行動変容をも生み出します。その成果はビジネスにおいて大きな価値があるため、優れた文章には対価が支払われることになります。

このように、ビジネスを成立させるための役割を担う文章を「商業文章」と言います。簡単に言えば、お金をいただくことのできる文章のことです。

今回はその「商業文章」を書くための「カタ」を田中さんにレクチャーしていただきます。商業文章で求められる文章力は、人の行動に変化を起こし、課題を解決するためのものなので、習得できれば仕事において大きな武器となるはず。頑張って学んでいこうと思います!

優れた文章には3つのステップがある

では、どのようなステップを踏めば「人を動かす」文章が書けるようになるのでしょうか。

田中さんの考えるステップは3つだそうです。

まずレベル1は「正しい文章」。
間違いが許されない文章。読みやすさは度外視しているケースが多いです。たとえば、取扱説明書や契約書などがそれにあたります。

レベル2は「伝わる文章」。
一度読めば、すぐに要点がわかる文章を指します。新聞や企業のプレスリリースなどが該当します。

そしてレベル3は、「スイッチを押す文章」。読み手の行動のスイッチを押す文章、ということのようですが、具体的にどんな文章なのでしょうか?

ここで、ある山の登山道の入口に実在する看板を例に見てみましょう。

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この看板が伝えたいことは、登山客に「野で用を足さないでほしい」ということです。きっと、米原市は登山道で用を足す人に困っているのでしょう。

この文章を、さきほどのレベル別に書き換えてみると、次のようになります。

レベル1 登山道で排泄行為に及んだ者は、条例X条により…
レベル2 登山道で用を足さないでください
レベル3 これより上、頂上まで公衆便所はありません

いかがでしょうか。

レベル1・レベル2の文章は、言いたいことの内容はすぐにわかりますが、「あぁ、まあそうだよね」と思うだけであまりピンとこないような気がします。一方で、レベル3のように言われると「今のうちにトイレに行っておくか」という気持ちになりませんか?

レベル3の文章は、「野で用を足すな」ということを直接的には伝えていません。しかし、この文章を見た人は「頂上までトイレがないの?じゃあ今のうちに済ませておくか」というスイッチが押されるはずです。結果的に、米原市の「野で用を足す人がいて困っている」という課題が解決されるのです。

これが田中さんの言う「スイッチを押す文章」です。

「スイッチを押す文章」を書くために大事なポイント

実際に「スイッチを押す文章」を書くにはどうしたらよいのでしょうか?

ポイントのひとつは「直接言わないこと」です。「〇〇しないでください」「〇〇しましょう」と目的をストレートに伝えても、読んだ人の心は動かせません。

直接言わないのになぜきちんと伝わるのかというと、文章が読んだ相手にメリットを感じさせ、「こうしよう」という感情を抱かせるから。先ほどの看板の例で言うと、相手にとっては「頂上までトイレがないのであれば、今のうちに済ませておいたほうがのちのち困らない」というメリットがあるのです。

田中さん曰く、「スイッチを押す文章」を書くためには次の3つがポイントなのだそう。

スイッチを押す文章を書くための3つのコツ

・絵がイメージできる
・相手にメリットがある
・相手にこうしようと思ってもらえる

「言いたいことが伝えられない」というときにこの3つを意識すると、文章の精度が上がるそうですよ。

いざ実践!スイッチを押す文章を考えてみよう

トークセッションのあとは、実際に「スイッチを押す文章」づくりにチャレンジ!ということで、全員参加型のワークへ入ります。

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ウォーミングアップとして行われたのは、なんと写真大喜利!写真の人が一体どんなセリフを発しているのか、参加者が一人ずつマイクで発表していくというもの。

突然の難易度高めなお題に一瞬緊迫した空気が流れましたが、いざ始まると大盛り上がり!

「あれ、新しいジャケット買った?」「髪型変えたの?」など、さまざまな着眼点の回答が飛び出します。

同じ事象を言葉にするにしても、いろんな表現があるものですね。

田中さん曰く、写真をいろんな角度から見て、特徴をひとつ掴み、そこからブレイクダウンして考えていくと、おもしろい表現が生まれるそうです。

読み手にきちんと価値を提示できているかがカギ

場の空気もあたたまってきたところで、いざ本番のワークへ。

テーマは「新宿駅埼京線ホームの駆け込み乗車を注意するひとことは?」。このテーマに沿って文章を考え、参加者全員のなかから優勝作品を選びます。

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埼京線は駆け込み乗車が多いことでも有名。おそらくJRは「駆け込み乗車は危険だし運行の遅延にもつながるので、何とかしたい」という課題を抱えているはず。

そこで、「ホームの電光掲示板に流れる文章」という想定で、駆け込み乗車をしようとしている人の「スイッチを押す文章」を考えていきます。記事をご覧の皆さんも、いっしょに考えてみてくださいね!

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真剣な表情ですね……。

紙に書き出す人や、埼京線の情報をネットで調べる人など、進め方はいろいろ。田中さんの講義を踏まえて、渾身の一本を生み出そうと、みんな一生懸命です。

20分間みっちり考えたのち、各自ふせんに書いたものを壁に貼り出し。その中で「いいな」と思った作品に投票していきます。

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「乗車も恋愛もスマートがモテる」
「あなたの駆け込みがみんなの時間を奪っていく」
「駆け込み料金いただきます」

などなど、いろいろなアプローチから攻めた作品が並びました。

コンペの結果、同率一位の投票数を獲得した作品が2つ登場!その作品がこちらです。

「着いてから走ろう」

「3分後に来る電車は当駅始発です。」

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この作品を考えたのは、普段から文章に対する関心が高い二人。他の参加者からも称賛の声が上がりました。それぞれのコメントがこちらです。

「着いてから走ろう」
作者のコメント:単純に走るな!と伝えるのではなく、今走る必要はないから着いてから好きに走れよ、と発想を転換してシンプルに考えました。

田中さん’s comment
この短さがすごくいいですね!朝だし、みんなしっかり見る余裕はないですもんね。

「3分後に来る電車は当駅始発です。」
作者のコメント:駆け込み乗車をする人は、なんとか乗車に間に合いたいという気持ちが強いですよね。その気持ちに勝てるメリットって何だろうなと考えたときに、座れることかなと思い、提案しました。

田中さん’s comment
いいですね!始発列車が来る前にこのコピーを使ったら効果がありそうですよね。価値をうまいこと提示できているのがすごく魅力的です。

似た訴求の作品も多いなか、受賞した2作品に共通しているのは、田中さんがおっしゃっていた「スイッチを押す文章を書くためのコツ」をきちんと押さえているということ。

直接的な表現ではないのに、絵が想像できて、そこにメリットを感じ、「じゃあ駆け込まずに一本待とうかな」とスイッチが押される文章に仕上がっています。

ワークのあとは、田中さんを囲んで「ライターとして働くなかでの失敗談」や「文章力向上のためのインプット方法」などの話を伺い、イベントは終了しました。

参加したメンバーからは、「何らかの課題を解決すべき手段として文章が存在していることを再認識できた」「目指すべきマイルストーンが明確になった」など、とても前向きなコメントが寄せられました。

まとめ

「相手の行動のスイッチを押すためにはどうしたらいいのか?」

この問いは、わたしたちキュービックがマーケティングを生業にする以上、常に問われる課題です。

相手の立場や状況、気持ちをとことん考え抜いて文章を生み出しているのか、今回の勉強会を通して、改めて見つめ直すことができました。

今回の田中さんのお話を胸に、キュービックは今後もユーザーの心を動かし、ユーザーの課題を解決するキッカケを生み出し続けていきます。

田中さん、ありがとうございました!

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