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ぼくら毎月お給料もらってるけど、お給料のこと知らなくない?

普段、当たり前のようにもらっているお給料。そもそもぼくたちは、どうして働くとお金がもらえるのでしょうか。「そういう契約なんだから当たり前じゃん!」たしかにその通りです。

お給料
榊望治さんによるイラストACからのイラスト

そもそもお給料(給与)ってなに?

では、どうしてお給料はお金なのでしょう。事前に契約していれば、お金である必要はないのかもしれません。最近は国がキャッシュレスを促進し始め、その影響もあってかお給料を仮想通貨や電子マネーで支払おうといった取り組みも耳にするようになりました。

とはいえ実際のところ、労働の対価として魚やお肉を支給している企業はまず見かけません。「うちの親はお給料の代わりにプラチナを支給されていた」そんな人はまずいないでしょう。

国税庁のHPによるとお給料は、金銭で支払われるのが基本ですが、下記のようなモノや権利、経済的利益にあたるものであれば、現物支給することは認められているようです。

(1) 物品その他の資産を無償又は低い価額により譲渡したことによる経済的利益
(2) 土地、家屋、金銭その他の資産を無償又は低い対価により貸し付けたことによる経済的利益
(3) 福利厚生施設の利用など(2)以外の用役を無償又は低い対価により提供したことによる経済的利益
(4) 個人的債務を免除又は負担したことによる経済的利益

出典:国税庁HP

さて、今のようなカタチでお給料が支払われることが一般的になったのは、いつからなのでしょうか。ここから簡単にお給料の歴史を振り返ってみます。

江戸時代から明治時代にお給料は金銭に

日本国内で、『お給料』というカタチで金銭で支払われることが一般的になったのは、明治時代。民法で雇用契約のあり方を「労働に従事し、その報酬を支払うこと」と定めたことから始まります。それより以前から労働に対する対価として金銭が支払われていたようですが、まだ一般的とはいえませんでした。

お給料
くりまんさんによるイラストACからのイラスト

というのも、それまでの日本では職場への「住み込み労働」、いわゆる丁稚奉公が多くおこなわれていたのです。丁稚奉公では給与は支払われず、その代わりに衣食住が保証されていました。あの三越伊勢丹の前身である越後屋でも、江戸時代には住み込み労働がおこなわれていたようです。

自分が一人前になるまで(暖簾分けできるまで)給与は支払われず、衣食住が保証されるだけの生活なんて今では考えられません。しかも丁稚奉公先によっては、外出は原則認められていない場所もあったというから驚きです。

ボーナスや退職金はどうだったのでしょうか。

ボーナスの習慣は明治時代に広がり離職防止に寄与

ボーナスの起源には諸説あるので詳しくは触れませんが、広く普及したのは明治時代とされています。当時は従業員が短期間で離職するのを防ぐために利用されていました。額は、月給の数ヶ月分が一般的で、当時は企業の業績に影響されることなく決まった額が支払われていたようです。

参照:日本の賃金を歴史から考える

退職金は過去の制度?終身雇用が廃れつつある今、その恩恵は受けられない

国内企業の7割以上が採用している退職金制度。その発祥には、暖簾分けが大きく関係しているとされています。

一説では、丁稚奉公をしていた奉公人が独立するタイミングで、主人から暖簾を贈られたことが起源ともいわれています。金一封を暖簾と一緒に贈っていたのか、暖簾の代わりに贈るようになったのかは定かではありませんが、退職金に近い制度は明治時代には確認されています。

退職金は、雇い主と従業員の積立金から捻出されていたため、勤続年数が長ければ長いほど多く受け取ることができました。これは現在も同じで、基本的には勤続1年ごとに給与1ヵ月分を上乗せしていくロジックが取られています。つまり終身雇用が主流だった時代には、それなりの金額を受け取れたけれど、転職が一般的になった現代ではあまり当てにできない仕組みともいえそうです。

実際、転職が盛んな欧米では、退職金制度はほとんど普及していないようです。

時代に合わせてカタチは変化していく。お給料のこれから

こうして歴史を振り返ってみると、それぞれの時代に合わせて多様なカタチが採られていることがわかります。ボーナスや退職金などの報酬は、その時代の労働環境が抱える課題を解消するべく普及してきたともいえそうです(諸説あり)。

では、これからのお給料はどのように変化していくのでしょうか。近年は、少子高齢化による労働力人口の減少が社会問題となっています。多くの企業は、人材確保に躍起となり、様々なカタチで他社との差別化を図っています。企業によっては、お給料の受け取り方法で差別化を図る企業も現れました。

お給料

一部企業では、給与の前払いシステム『キュリカ』を導入し、お給料日を待たずにいつでも受け取れるようになっています。専用のカードを使えば、就業当日に駅やコンビニのATMで24時間365日いつでもお給料が受け取れるわけです。もしかしたら近い将来、お給料日という考え方がなくなる可能性だってありそうです。

また国をあげてキャッシュレス化を進める今、とある企業ではお給料の一部をビットコインで受け取れるようになっています。また別の企業では、福利厚生の一環で、スマホ決済で利用できる電子マネーの配布をおこなっています。

冒頭でも軽く触れたように、お給料を仮想通貨や電子マネーで受け取る日はすぐそこまで迫っているようです。

従業員同士が成果給を送り合う?ピア・ボーナスという考え方

福利厚生の一環として、ピア・ボーナスを取り入れる企業も増えています。

ピア・ボーナスとは、従業員同士が成果給(インセンティブ)を送り合える仕組み。現在の評価制度では、評価しづらい(表面化しにくい)業務や成果を表出し、少額のボーナスを送ることでねぎらうことが可能になります。このように、お給料や報酬の受け取り方は、時代に合わせてどんどん多様化しています。

今後ますますお給料や報酬のあり方は、目まぐるしく変わっていくでしょう。私たちが普段、何気なく受け取っているお給料。もしかしたら10年後には、お金を受け取ることが無くなる?なんてことが起こるかもしれません。

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